為替を辞書で調べると以下のように説明されています。
『遠く隔たった者の間に生じた金銭上の 債権・債務の決済または資金移動
を現金の輸送によらずに行う仕組み。現在では内国為替と外国為替、送金
為替と取立為替などに分類される。』 [ 大辞泉 ]
要するに現金を使わずにお金の支払いや受取りを行うことです。
例えば、東京に本社がある企業が急遽、福岡に本社を構えるある企業から
30億円である商品を購入したと仮定します。
この場合、東京にあるこの企業は本来であれば、福岡の企業に商品代金を
支払わなければなりません。しかし、実際に30億円もの金額を支払うのは
大変です。これを 現金で決済することを想像してみて下さい。
テレビや、映画のワンシーンでよく見かけるような重厚なジェラルミンンケース
を何個も用意しなければなりませんし、また、安全に運ぶためにも屈強そうな
ガードマンを雇って現金輸送車で運ぶ必要があると思います。
ガードマン一人雇うだけでも相当の費用が掛かりますので、お金を支払うだけ
でも安全性を維持する為に相当の費用がかかる事が予想されます。
上述したことからもお分かりいただけるように、こういった 商取引の直接現金
でのやり取りは非常に非効率となります。
今現在、このような遠隔地の現金決済には、銀行をはじめとした金融機関を
介しておこなうのが一般的です。上述した東京の企業が日頃から取引のあ
るA銀行に対して商品の支払い代金である30億円を振り込みます。
そして、A銀行は福岡の企業が指定するB銀行に対して、その30億円を払い
込むとともに、商品を製造している福岡の企業はB銀行を通して商品の代金
を受け取ることが可能となるわけです。
こうしたことによって大幅なコストと、時間を削減し、尚かつ安全に決済する事
が出来るのですが、ここで、疑問が浮かんできませんか?
「A銀行とB銀行は、一体どうやって取引をおこなったのか?」ということす。
実際にこのような取引を可能にするために存在しているのが、いわゆる国内
の
銀行の中の銀行とよばれる日本銀行です。
国内で金融業務を営む銀行などの金融機関は、それぞれ個別に日本銀行内
に当座預金をもっています。(一般の企業は持つことが出来ません)
つまり、東京の企業からA銀行に振り込まれた10億円は、日本銀行内に設け
られているA銀行の当座預金を介して、同じく日本銀行に設けられているB銀
行の当座預金に付け替えられることで可能となります。
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