イングランド銀行はほんの数ヶ月前までインフレ化を懸念し、追加利上
げの準備に余念がないような状態だったわけですが、金融不安が広が
ったことにより状況は一転しています。
以前であればイングランド銀行は公表された、消費者物価指数(CPI)の
数値から、いかに利上げが必要かを説く立場でした。
デフレ化が進み追加利下げを繰り返した結果、政策金利は2.0%に
なってしまったのです。ユーロも同様に利下げされています。
これにより、英ポンドの高金利通貨としての魅力は大幅に低下している
わけですが、これ以上の利下げはさらに円高を加速させるだけですの
で英国の金融当局に対して慎重さが求められます。
また、最近の金融市場の混乱については、借り入れ状況が悪化する
要因となれば、成長を下振れさせる影響をもたらすと懸念しています。
ロンドンの金融街はリストラの嵐が吹き荒れており、金融取引の混乱
による信用不安から、不動産価格が暴落しています。
このような状況では積極的に英ポンドが買われるはずもありませんの
でスワップポイントを狙った取引もうまみが全くありません。
英ポンドの取引量は依然として大きいので値動きは荒く、とてもじゃない
ですが、長期での保有したいと思うような状況下にありません。
積極的にリスクを取れる方は為替差益をこれまでどおり狙った取引を
継続すれば良いでしょう。こうした状況が続けば外国為替市場におい
てポンドに対する評価にも影響を与えることとなりそうです。
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